2023-08-20

メジャーコード・マイナーコード 明るい 暗い なぜ? どうして?

harp

メジャーコードは明るい、マイナーコードは暗い。

どうして、そう聴こえるの? 果たして本当にそうでしょうか?

検証していきます。

メジャーコードは明るく聴こえてマイナーコードは暗く聴こえる。

昔からそう言われていて、なぜそうなのか私自身も謎でした。

そこでいくつか方法を思いついたので検証していきたいと思います。


文章が多少音楽をわかる方、向けになってしまいますが音を聴いたりすることで意図は伝わるかと。


今回のメジャー・マイナーとは短調長調など曲の調性の話ではありません。

コード(和音)としての話になります。


まずメジャーとマイナーの違いですが、コードは1度の音、3度の音、5度の音で重なります。


C というコードであれば、

C(メジャー)は C+E+G(ドミソ)という構成音。
C

Cm(マイナー)は C+E♭+G(ドミ♭ソ) です。
Cm
ルートの1度と5度の音はメジャーでもマイナーでも変わりません。
メジャー・マイナーを決定付けるのは3度の音。

ルート音と3度の間隔が長三度(間に半音3個分)がメジャー。
短三度(間に半音2個分)なのがマイナーです。
したがって3度と5度の間隔はその逆になります。

では実際に聴いてみましょう。
倍音が関係するのではという説もあるので、サンプルはサイン波で作ってみました。

なるべくヘッドホンを使ってみてください。
ある程度しっかりとしたスピーカーなら大丈夫ですが、スマートフォン内蔵のスピーカーだと音量を上げたときに音が割れて、きちんと聞こえないと思います。

では、まずメジャーから
【1】C
C


次にマイナー
【2】Cm
Cm

順に聴くとマイナーは暗く感じるかと思います。
まずメジャーを聴いてから同じルート音のマイナーを聴くと確実に暗い感じがします。

そこでマイナーに絞って鳴らし方を変えてみることにします。


【3】E♭G → CE♭G と後から1度の音 C を足して Cm に変化します。E♭GからCを追加
どうでしょう?なんか違って聴こえたりしませんか?


続けます。次は

【4】CE♭ → CE♭G と後から5度の音 G を足して Cm に変化します。CE♭からGを追加
このとき最後の延びている Cm に注目して聴いてください。
明るいか暗いかよくわからなくなるような気がしませんか?
不思議ですが明るく解決してるように聴こえる方もいます。
もちろん「いや、変わらないよ」という方もいると思います。

ここで少し休んでください。

そして【2】の、始めから Cm の音源をもう一度聴いてみましょう。
Cm
暗いですね。

このことから和音の鳴り出しの瞬間の脳の認識の仕方にカギがあるのではないかと思います。

というのも【2】の Cm 持続音源もずっと聴いていると明るい暗いイメージが入れ替わったり、どっちだかわからなくなります。

【2】の音源で Cm が鳴った瞬間、脳のどこかにある Cメジャーの響きの記憶が脳内で補間または比較されるということが起こっているのかもしれません。



ただそれは、【3】や【4】の音源のように時間軸の中での音の変化よりは弱いものなのではないか。そんな気がします。

全部、全く変わらないという人もいると思います。
それは無意識に注目している音が人それぞれなので感じ方が違うということではないのでしょうか。

また、調の違うコードをランダムに鳴らしていくと(これもそのうちやってみたいです)マイナーコードが暗いといったイメージが曖昧になっていく方が多いです。
やはりなにかと比較して相対的に判断してると考えられます。

「メジャーコードが明るく、マイナーコードが暗いのはなぜか?」
ではなく
「同じルート音のメジャーコード・マイナーコードを比べるとマイナーコードが暗く感じるのはなぜか?」
なのではないかということです。

うーん。根本的な解決になってない(笑)
まあ人によってはマイナーコードも鳴らし方の違いで明るい暗いが曖昧になることもあるということがわかったという感じですかね。

「明るい、暗い」というそれ自体、漠然としたものなので難しいのですが音楽は、いままで聴いてきた環境によっても感じ方は違うと思うのです。



曲についての、長調の曲は明るく短調の曲は暗いイメージというのは、過去の経験によるところが多いと思うのですがどうでしょうか。

楽しい幸せなときに聴いていた曲は明るいイメージになり、悲しいときに聴いていた曲は暗いイメージになることが多いかと。
その曲をのちに聴いたとき、それぞれの感情が戻ってくる。
また教育やテレビ・映画などの媒体で刷り込まれてきた環境など。

曲調の話でもう一つ、音楽経験のない方は、楽器や音色、歌詞、アレンジの違いで明るい・暗いのイメージが変わることがあります。
よくある例では、歌モノで歌詞が明るくテンポが速いとマイナーな曲調でも、明るいイメージを持つパターン。

音楽を少し精通している方なら、他の要素に惑わされずメジャー、マイナーの曲調は判断出来ます。
この場合は注目している部分が違うということが言えるかもしれませんね。
おそらく曲に関してはコード単体よりも、イメージは様々になります。

また普段、音楽を深く扱っている方は、明るい・暗いという概念はなく、別の感覚で感じてる可能性も。


少し話が逸れましたが、マイナーコードは暗くないという人がいるのは、上に書いたようなことが関係しているのではないでしょうか。

究極は生まれて一度も音楽を聴いたことがない人間が初めてマイナーコードを耳にしたときに暗く感じる?かどうかですね。

今回はトライアド(3つの構成音)だけでのことなので、これが4和音やテンションを加えたりした場合、もっとわからなくなります。
例えばメジャーコード C6 とマイナーコード Am7 の構成音は全く同じです。
響き自体が複雑になり明るい暗いという単純なものではなくなってきます。

あと音量の差によっても聞こえ方が変わることに気付きました。
私の場合、音量を上げると暗い要素が減る感じがします。
こっちのほうが不思議だったり。

サンプル音源をヘッドホンで鳴らしながらボリュームを
上げたり下げたりして聴いてみてください。



うーんじつに面白い。